おとなどうぶつしょうぎ大会レポート
12/20(日)深川東京モダン館で「おとなどうぶつしょうぎ大会」が行われ、北は札幌から、南は徳島まで、全国からどうぶつしょうぎ大好きなみなさんが集まりました。その模様をお届けします。
懸賞もんだいを解いて開始を待ちます。回答者は最後のお楽しみ抽選会で景品が当たります。初心者向けの1手詰めと、上級者向けの9手詰めを出題しました。
組み合わせ抽選はトランプを使いました。32人を4人ずつの8ブロックに分けます。ブロックはちょうどどうぶつの種類の数になったので、「ひよこ組」「いのしし組」「うさぎ組」「ねこ組」「いぬ組」「ぞう組」「きりん組」「ニワトリ組」になりました。
タイムスケジュールは
13:30 受付・組み合わせ抽選 14:00 予選開始 15:00 おやつのじかん 15:15 本戦トーナメント・交流戦開始 16:30 交流戦終了・決勝戦開始(大盤解説あり) 17:00 表彰式・懸賞もんだい正解発表と抽選会
です。
おやつは地元深川の宝理仏蘭西菓子店さんが一つ一つ手作りしたライオンケーキです。
対局時間は6分切れ負けで、結果的にぴったりこの通りに進みました。
予選は勝ち5点、負け0点、千日手先手側3点・後手側2点とし、ポイントの多い順に2名が決勝トーナメントに進出します。本戦の引き分けは1回目指し直しにしました。これは、どうぶつしょうぎは上級者になると後手番が有利で、先手番は引き分けに持ち込むのが一つの戦術というお話を聞いたからです。順番も、公式ルールはじゃんけんで勝った方が先手ですが、今回は勝った方が選べるとしてみました。
この辺りの設定は、将棋と異なる事情があるので非常に難しかったです。でも結果的には皆さん楽しく指されていたようなので良かったです。
ルールの再確認とおとなのみなさんからのガチ質問タイム。
Q「トライしたときはトライって言いますか?」
→A「ぜひ元気に言いましょう」
Q「失敗トライをしたときに、あいての見張りがつかまえてくれなかった場合、どちらが勝ちになりますか?」
→A「非常にややこしい問題ですが、あり得る場面です。どうぶつしょうぎは詰みで勝ちではなく、キャッチの時点で勝ちとしています。なので、トライ失敗もその時点で勝ちじゃないのかも……これはルール考案者に後で確認しておきます」
Q「どうぶつしょうぎの歌(モニターで流していた)はどこで手に入りますか」
→A「Youtubeにアップしてます。残念ながらまだ音源化されてないので、NHK「みんなのうた」からのオファーを待っています」
今回は開発中のiPad/iPhoneチェスクロックアプリ、「ひよこ時計」を一部使用しました。手番の方のニワトリさんが出てきます。早く皆さんにお届けしたいですね〜。(公開は間に合わなかったです・汗)
いよいよ対局開始。真剣です。でも手元を見るとゆるいどうぶつたちが居ます。
ブロックごとに総当り3回戦なのですが、このように終わった後に皆で仲良く研究したり、お話したりしていて、ブロック分けとどうぶつしょうぎの相性の良さにびっくりしました。
強豪の人は皆さんに感想戦で教えてあげたりして、終始和気あいあいとしていました。
ひよこ時計も無事に動いてました。6分の持ち時間は強豪にとっては「長い」と感じたようです。相手が読みきって間違えてくれなくなるとか。
千日手も何局か出ましたが、同ポイント決戦もほぼ無く、スムーズに進行しました。ひよこ組が4人とも1勝1敗で、最終決戦に向かうという熱い戦いでした。
駒の持ちかたも皆さんカッコ良かったです!!
スタッフの一人は「盤上に駒が多い」とこども大会との違いに感心していました。おとなは上手に駒を広場に戻して、盤上に厚みを作るんですね。
3時のおやつのじかんの後は、予選を抜けた16名による決勝トーナメントと交流対局です。交流対局は勝ち3てん、負け1てん、引き分け2てんのラウンドロビン方式。どうぶつしょうぎの大会では最も多く行われているおなじみの形式です。たくさんポイントを貯めた人や、ひよこ賞、最多対局賞、ライオン賞などが入賞します。
ふじた先生の多面指しは「指導され対局」になってました。たくさん教えてくださってありがとうございました。
ベスト4進出者は札幌、京都、福井、徳島の方で、さながら全国大会の様相を呈してきました。準決勝からは、先後2局指す形式です。でも結局皆後手が勝ってしまって、3局目の一発勝負になってました。
じゃんけんが超重要で気合入りまくりです。
決勝は京都の粟辻さんと、福井の中村さんの対決となりました。後手の方が勝たなくてはいけないのでかえって緊張したとか。
交流戦も終了し、みんなで決勝を見守りました。モニター中継つきです。見ているだけで息苦しくなるほどの緊張感でした。
決勝は何がなんだかわからないスピードで後手勝ち・後手勝ち。3局目のじゃんけんは中村さん勝ち!!ところが……。(動画はこちら)
最後の最後に先手が勝ちという劇的な結末でした。どうぶつしょうぎ、競技としてもいける!とスタッフもホッとした瞬間です。女流棋士の石高澄恵さんも加わり感想戦が行われました。
優勝は粟辻悠さん。普段は朝型らいおんさんというハンドルネームでどうぶつしょうぎを主に朝指しているそうです。
<大会結果>
優勝:粟辻悠さん
準優勝:中村正一さん
3位:石高澄恵さん
4位:原田慎也さん
<交流戦>
1位:後藤祐太さん 2位:福島健太郎さん 3位:塩路豪さん 4位:福士和希さん
そのほか、ひよこ賞、最多対局賞など
懸賞もんだい正解者へのお楽しみ抽選会でも沢山の景品が贈られました。
いっぽとしては初めての自主企画、そして今までなかったタイプの大会で、どうなるのかドキドキだったのですが、予想以上に多くの皆さんが集まってくださり、無事に終えることができました。参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。
今回はガチ勢多めの大会となりましたが、初心者向けのコーナーがあったり、中級者が気楽にさせる大会も需要があるのではと思いました。これをきっかけに、各地でいろいろなおとな向けのイベントが企画されるのを期待しています。
参加者の感想はこちらにまとめがあります。
決勝戦三番勝負の動画